【日本アルプス全縦走の旅 8日目】2014年9月9日 兎岳避難小屋~赤石岳~荒川小屋 (南アルプス)
日の出とともに歩き出そうと3時半に起床。
食事を済ませ小屋から出ると西の空にまぶしい何かが浮かんでいました。
満月でした、特大の。デカ過ぎて、眩し過ぎて、まじで電球かと思いました。
ド快晴の空のもと赤石岳を目指して稜線を進みます。
青々としたハイマツ、稜線の曲線が美しい。兎岳を出発して間もなく最初のピークに到達。標識を確認すると「小兎岳」の文字。兎岳のとなりが小ウサギ岳ってかわいすぎる...。
大沢岳を越えて引き続き赤石岳へと歩みます。
(↑大沢岳)
赤石岳直前には頂上へと続く長い登りのトラバース。昼前には赤石岳に到着しましたがもうこの時点でバテバテ。体力がないのはもちろんなのですが、食糧プランの稚拙さも一因だったようです。
荷物が重くなるのを恐れるあまり、食料を削り過ぎていました。「これだけあれば食いつなげるだろう」と甘く見積もった量では全く足りず、エネルギー不足で足が動かなかったのです。
元気に楽しく歩くためにも、「荷物は少なく、食料はたくさん」のスタイルがロングトレイルには大切なようです。
(↑赤石岳から北を眺める)
赤石岳頂上のベンチで赤石岳避難小屋のおっちゃんと少しお話をしました。
兎岳避難小屋に泊まったは言うと、おっちゃんは開口一番「…出なかったか?」と一言。
え...、あそこはおばけが出るのか...、と一瞬声を失う私。
すると「出なかった?ネズミ?」と続けるおっちゃん。完全に遊ばれました。ネズミは出なかったよ。おばけも。
また、数日前に白樺荘で千枚小屋のスタッフさんに出会ったが、日程の関係もあり千枚小屋には立ち寄らないつもりだとおっちゃんに話すと、「せっかくだろ、行ってやれ。そのほうが喜ぶだろ。」と諭されました。
南アルプスは人情ある人ばかりだなぁと感銘を受け(というか自分の薄情さを恥ずかしく思いながら)、翌日言われた通り千枚小屋に行くため、ちょっとルート変更してこの日は荒川小屋で泊まることに。
(↑赤石岳)
荒川小屋に向けて稜線を歩いていると、向かいから大きな麦藁帽をかぶった10人程のパーティが。
これは植村直巳さんの『青春を山に賭けて』で読んだ明大山岳部の服装!?と思い、尋ねてみると案の定、明大のパーティでした。大きな帽子やザックにくくり付けた大きな鍋などなど、部の歴史を感じさせる出で立ちにちょっとしびれました。
(↑明大のみなさん)
荒川小屋に到着。
赤石避難小屋のおっちゃんが、「荒川から見る朝日はいいぞ。」と言っていたので朝日がよく見えそうな場所を選んでテントを設営。テン場にいた富山大ワンゲルサークルのにぎやかで楽しげな話し声を羨ましく思いながら就寝。仲間同士で登山、楽しいよね。
余談ですが、荒川小屋の大判焼きはすごくおいしい。